血友病のお子さんをお持ちになられるご両親へ
血友病とともに
血友病のお子さんには定期的な運動は大切です。運動を通して子供は筋力を強め、それによって関節を保護して出血を減らすことができます。お子さんはバランスも取れるようになりますしスタミナもつきます。スポーツはお子さんの心身の発育に欠かせません。子供は皆好かれることを欲し、また友達が欲しいものです。スポーツをすることはこれらの目標に巡り会う最適な手段です。その上、スポーツはお子さんに達成感とプライドを与えてくれます。
スポーツを選ぶ時、どの程度お子さんの体を傷つける可能性があるか見きわめてください。どの関節や筋肉を使うのか、どのくらい身体の接触があるのか?接触があればあるほど出血の可能性は高くなります。全ての出血を防ぐことはできませんが、怪我、特に頭への衝撃の可能性の低いスポーツを選ぶのが賢明です。
スポーツと運動について
- ヨチヨチ歩きの赤ちゃんや未就学のお子さんはキャッチボールをしたり、ブランコに乗ったり、駆け回ったりできます。ジャングルジムや滑り台は大人がそばにいる限り大丈夫です。
- 水泳は血友病の人々に最適なスポーツの一つです。関節に負荷を加えずに安全に筋肉を鍛えることができます。水の中でパシャパシャさせて、お子さんがまだ小さいうちに水に慣れさせましょう。大きくなって泳ぐことを覚えたら、スイミングクラブに入ることを勧めましょう。
- 血友病治療センターと共に、年齢に合ったスポーツと活動の利点とリスクについてより理解を深めるよう勤めてください。
知れば知るほど対応するのが楽になって、心配事が減ります。血友病について学ぶことは息子のためにできる最高のことです。
-ポール・クレメント、ブレット12歳の父
スイミングスクールに通う時(手紙の例)
前略
私は○○病院で○○君を担当している○○と申します。○○君がスイミングを始めたいと伺いました。行うことができると思いますので、○○君の病気について 説明させていただきます。○○君の病気は血友病と言います。頻度はあまり多くはありませんが、男の子であれば特発的に誰でもなりうる病気です。病気の説明には血を止めるしくみを理解していただくとわかりやすいと思います。血を止めるには体の中で3つの大事なしくみがあります。それは血小板が出血部位に集まって糊みたいな働きをすることと、凝固といってそれを塗り固めて堅固なものにすることと、血管が収縮することです。血友病は、凝固に関係する12個の因子のうちの一つが少ないために、凝固に時間がかかってしまい、出血しやすくなる病気です。凝固以外の血小板や血管の収縮力は正常ですので、○○君も血を止める力はある程度備わっています。したがっていつもやたらに出血するわけではありません。症状としては鼻血がでたり、手や足の皮下出血(青あざ)や関節の出血(ひざ、ひじ、足首などが腫れて熱を持った感じ)などが月に数回あるかもしれません。鼻血や傷などは少し長めに押さえていれば、血は止まります。青あざはそのままでも、時間はかかりますがひいてきます。関節の出血は、足を引きずったり、歩こうとしなかったりして、関節自体が腫脹することもあります。関節の出血に対しては、凝固因子の入った注射をするとよくなります。○○君の場合は○○病院で行ってます(○○君の場合は、お母様が注射の技術を習得されており、お母様がしています)。血友病は適切な治療と予防を行うことで、病気を持たないお子さんと同じ生活ができます。基本的には、幼稚園、保育園などでも活動に制限はありません。注意点は、高いところから落ちたり、頭を強く打たないようにするということであり、他の児と同様です。スポ-ツではアメリカン・フットボ-ルとボクシングなどは避けたほうがよいですが、他のスポ-ツは何でもできる可能性があります。特にスイミングは出血の危険も少なく、一番推奨されているスポ-ツです。以上よりスイミングを行うことは問題はないと思います。ただ、飛び込む時にプ-ルの底で頭を打たないようにすることと、プ-ルサイドが滑りやすい場合には、走って転ばないように注意してください。もし頭を強く打った時には、頭の中の出血を予防するために、先程述べました凝固因子のはいった注射を打つ場合もありますので、打ったことをご家族へお伝えください。また、関節に出血している場合は安静が必要で、お休みすることもあるかもしれません。何かありましたら、ご両親ともに病気を理解されているので、基本的はご両親と相談して決めていただいてかまいません。○○君は痛い注射をがまんできる立派なお子さんです。○○君がスイミングを行うことは、身体を鍛える意味でも、社会へ出て行く第一歩としてもよいことと思われます。○○君が充実したスク-ルでの生活を送られることを祈っています。
もしご不明な点、ご心配な点がございましたら、ご遠慮なく当院の内科外来看護師または小児科○○までご連絡いただけましたら幸いです。
草々
2003年11月7日
病院 科 ○○ ○○
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