血友病のお子さんをお持ちになられるご両親へ
血友病とともに
お子さんが血友病であることを知り、病気について学んでいくのは苦しい道のりでもあります。このセクションではご両親が最初に抱くであろう気持ちについて書いてあります。苦しい気持ちや、あなたが直面する他の問題に上手く対処できるようにも書いてあります。お子さんの成長に伴う事柄にも触れてありますが、この小冊子は主に赤ちゃんと小さいお子さんを持つご両親のためのものです。
恐れ
最初にお子さんが血友病であることを告げられた時、ショックを受けたり、怖くなったかもしれません。診断が信じられない場合に、こういった感情が湧きあがります。中にはお子さんが普通の生活ができないのではないかと心配する親御さんもいらっしゃいます。
とても腹が立って、とてもいやな気持ちになった後にやっと、なんとかなるかもしれないと思い始めたんです。もしかしたらって。
-エリス・マクガイア、トミー2歳の母
怒り
怒りを感じるのはよくある反応です。普通、怒りを感じるのはさまざまな理由からです。何かおかしいと思いながら、お子さんがヨチヨチ歩きになるまで血友病と診断されなかったからかもしれません。赤ちゃんは普通めったに出血しませんが、それで病気の兆候だとはわからなかったからかもしれません。いろいろな医者にかかりイライラして混乱したり、きちんと対応されなかったと感じているからかもしれません。大切なお子さんがこんな目に遭い、単に運命に腹を立てているかもしれません。
不安
怒りを感じた後、悲しみや不安に駆られることがあります。例え少しの間でも、お子さんのそばを離れたくないと感じているかもしれません。しかしながら、あなた自身のために時間を取ることはとても大事なことです。お子さんが普通の生活を送ることができないのではないか、病気のせいでお子さんが変わってしまうのではないかと恐れているかもしれません。友達ができなかったりスポーツクラブに入れないのではないかと心配かもしれません。将来に希望を持ち、あることばかりに心をとらわれるのはやめましょう。
罪の意識
お子さんに血友病を“与えて”しまったと考えたりしないでください。お母さんが血友病遺伝子の「保因者」であるため、病気を引き起こしたのは自分だと思ったりしないでください。また、お子さんが血友病になる可能性があるのに子供を持つべきではなかったと、ご両親で悩んだりしないでください。赤ちゃんが血友病になったのは誰のせいでも、誰かを罰するためでもありません。
不信
あまりにも辛いので、お子さんが血友病だということを信じたり認めたりしたくないかもしれません。こうした対処の方法を否認といいます。赤ちゃんが少し出血したからといって、どこかが悪いと信じるのは最初は難しいでしょう。医師が間違っていると思いたいでしょうが、血友病を否定し続けるのは、お子さんが成長するに従ってさらに多くの問題を生んでしまいます。あなたが血友病を否定していることをお子さんは敏感に察し、血友病であることは悪いことだと思ってしまいます。これはお子さんが自分自身をどう見るかということに、悪い影響を及ぼしてしまいます。血友病は誰のせいでもないのです。
お子さんから心をそむける
自分の中に閉じこもること、つまりお子さんから心を背けたくなることも、ご両親が経験するかもしれない反応です。これは、お子さんが将来自分の能力を十分に発揮できないのではないかと、ガッカリしてしまうせいかもしれません。このように考えてしまうのはご両親が血友病治療について十分な情報を持っていないからだと思います。息子さんの血友病のことであなたができることをすべて学ぶようにしましょう。どんな質問でも気後れせず主治医にお聞きください。
行き詰まったら
否定的な感情が過ぎ去ったと思ったのにまた戻ってきて、怒りを覚えたり苦しい思いを最初からもう一度繰り返すことがあります。将来が心配になるかもしれませんが、ほとんどの人がお子さんが血友病であることを受け入れています。またほとんどの人がある時点で問題に立ち向かい、人生を精一杯生きようと決心するのです。
血友病友の会などで他のご両親と交流するのは、難しい感情に立ち向かっている時は特に助けになります。参考資料のページに掲載していますので、連絡をとる助けとなるでしょう。
できないことよりもできることの方が多い。理解してくれない人よりも理解してくれる人の方が多い。
-星野 啓治 33才
受け入れることを学ぶ
他人がお子さんを血友病と呼んでも、赤ちゃんは、たまたま血友病と呼ばれる状態を持つことになった1人の人間です。病気が彼の全存在なのではありません。ご両親はみんな完璧な赤ちゃんを望み祈りますが、現実にはそんな赤ちゃんはいません。多くの子供は医療的な問題があり、アレルギーや糖尿病であったり、視力が悪かったり、あるいはまた別な問題があるのです。血友病であるということはお子さんが充実した人生を送れないということではありません。幸福で、物事をなしとげるすばらしい人になるのは、彼が本来持っている能力の中にあります。
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