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- お口のケアQ&A 第1回
第1回
歯医者さんに血友病のことをお話し,事情を知ってもらって,治療していただくのが一番安心です。しかし血友病のことを十分理解している歯医者さんは正直少なく,やみくもに不安がられ,拒否されることがあります。このへんのことを皆さん,何となく感じていらっしゃるから歯医者さんにどう伝えるか,悩むのです。まず考えるべきことは伝えるか,伝えないかです。医療者としてはここで「伝えるべき」と書かねばいけないのかもしれませんが,現実はそう杓子定規【しゃくしじょうぎ】には決められません。地域が狭く,近所付き合いが濃密な中で,(例外はありますが)遺伝的な疾患である血友病を知られると姉妹の結婚にも影響するのではないかと思っている家族には,近所の歯医者さんにも知られたくないと考えるかもしれませんし,血友病とはいっても凝固因子製剤を使ったこともないような軽症の人もいるでしょう。
伝えないことを選ぶ場合は、主治医に相談して歯科の措置の場合,自分たちはどの程度の準備をしたらよいか尋ねてみましょう。もし家庭治療ができて,製剤を事前にうっていけば大丈夫と言われたら,毎回,歯医者さんに行く30分前に製剤を投与し,がんばって通いましょう。もちろん途中で不具合があれば,すぐに主治医の先生に相談してくださいね。
さて伝えておきたいという場合です。主治医の先生に紹介してもらうのが最も安全・確実ですが,そこが通いにくいこともあります。ターゲットとなる歯科医院が決まったら,お子さんなら先に親や兄弟姉妹の治療や歯の健康診断に行ったり,お母さん仲間の評判を訊いたり,情報を収集します。そして感触が良ければ,まず通って顔馴染みになる努力をします。人間,顔馴染みのお願いの方が断りにくいものです。次に主治医の先生に歯科医さんからの血友病についての問い合わせに答えてくださいとお願いしておきます。ここまでが事前準備。具体的な話は血友病であること,血が止まりにくいだけなので,抜歯などの前に凝固因子製剤をうつとか,治療後に止血剤を服用するといった程度に過ぎず,それ以上の特別な用心は要らないことを伝えます。説明用の冊子を病院から入手して用意しておく,あるいはここのwebsiteを紹介するのも手です。その上で「親の説明で不安なら専門医に話してもらえるようにしてありますし,紹介状ももらってきますから」とお願いしてみてはどうでしょう。お気持ちのある先生であれば,このあたりで対応してくれますし,ここで難色を示すようなら無理をされず,別の歯科医院にトライした方がよいかもしれません。
最後にひとつだけ。伝えても伝えなくても、一部に血液凝固を妨げる成分の入った消炎剤・鎮痛剤がありますので,これについては先に主治医の先生から入手するか,歯医者さんでもらった薬が大丈夫か主治医に尋ねるなりしてから使用するようにしてください。
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